背番号1

年上の貴方

昨日は渡部に
駅まで送ってもらい
家に帰った

今日は午前中からの一日練習
お弁当を持って部活に向かう

電車に揺られながら
携帯をいじっていると
佐藤先輩が乗ってきた

佐藤もこちらに気づき
うす。といいながら
軽く頭を下げてきたので
彩も頭を下げながら
軽く挨拶した

彩は座っているが
佐藤はドアにもたれている


先輩とタメだったら
隣に座ってくれてたかなあ…


彩はちらちらと
先輩のほうを
見ながらそんなことを考える




間もなくして
学校から近くの駅についたが
佐藤はすたすたと
歩いて行ってしまった

駅から学校へは
徒歩15分ほどかかるので
生徒のなかには歩くのが
面倒な人は自転車を
駅に置いといて
学校へ行く人もいる

彩は歩けない距離ではないので
普段は友達と
しゃべりながら来たりしていた

今日は一人なので
音楽を聴こうと
イヤホンをさがしながら
歩いていると
佐藤が自転車を
引きながら駐輪場から出てきた

佐藤が彩に気づくと
歩く足をとめた

「……乗ってく?」
< 9 / 11 >

この作品をシェア

pagetop