放課後○○倶楽部
俺と律子ちゃんは今日の放課後もいつものように部室へ行き、いつものように変態部長と和音さんの相手をしていた。
それはいつもと変わりない日常的な光景で律子ちゃんもいつもと変わりなかったが、そこにいつもとは違うものが一つだけ存在していた。
「和音さん、それ何ですか?」
俺がテーブルの上に置かれた筒状のものを指差すと――
「ん? ああ、これは華子(はなこ)が持ってきたんだよ。『皆さんで飲んでくださいませ、おほほほっ』って言ってな」
モノマネをしながら嫌そうに眉をしかめる和音さんが、それを手で掴んで俺に投げて寄越した。
「そう言えば――この前、田乃中さんが持ってきたケーキはおいしかったねえ」
「はい、おいしかったですね。でも、あれは海藤部長がもらったものじゃないですか?」
「さすがに僕一人で食べれる量じゃなかったしね……あれは」
思い出すように話をしている律子ちゃんに苦笑いを浮かべて手を振る変態部長。
部長と律子ちゃんが話の内容は今から三日前に遡る。
変態部長と副生徒会長が仲良く(?)電脳革命クラブでお茶会をしているときに「私は翔様を信じていますわ」と、部長と固く握手をして高さ一メートルはあろうかという五段重ねのケーキを取り出したのだった。
副生徒会長は変態部長である海藤翔が大好きなのは周知の事実で、一年の頃から何度も告白しては玉砕されているのに懲りない猛者である。部長も「いい加減にして欲しいよ」と言いながらも女の子に甘いのに、唯一苗字で呼ぶほど苦手意識がある人物なのだ。
それほど副生徒会長の愛は重い……と、言う事だろうね。
で、その愛の結晶とも言うべきケーキには『愛ラブ翔様』と描かれた三〇センチほどの板チョコがあり、それを和音さんは親の敵のように叩き割って食べていた。
ラベリアのケーキを二〇個も食べたあとであの勢いと鬼のような形相はなんとも言えずに怖かった。もしや嫉妬か? と思ったが、ただ単に副生徒会長が嫌いなだけで、「ちっ、おいしいじゃないの」と不満を口にしながらもケーキは半分以上一人で食べいていた。
それはいつもと変わりない日常的な光景で律子ちゃんもいつもと変わりなかったが、そこにいつもとは違うものが一つだけ存在していた。
「和音さん、それ何ですか?」
俺がテーブルの上に置かれた筒状のものを指差すと――
「ん? ああ、これは華子(はなこ)が持ってきたんだよ。『皆さんで飲んでくださいませ、おほほほっ』って言ってな」
モノマネをしながら嫌そうに眉をしかめる和音さんが、それを手で掴んで俺に投げて寄越した。
「そう言えば――この前、田乃中さんが持ってきたケーキはおいしかったねえ」
「はい、おいしかったですね。でも、あれは海藤部長がもらったものじゃないですか?」
「さすがに僕一人で食べれる量じゃなかったしね……あれは」
思い出すように話をしている律子ちゃんに苦笑いを浮かべて手を振る変態部長。
部長と律子ちゃんが話の内容は今から三日前に遡る。
変態部長と副生徒会長が仲良く(?)電脳革命クラブでお茶会をしているときに「私は翔様を信じていますわ」と、部長と固く握手をして高さ一メートルはあろうかという五段重ねのケーキを取り出したのだった。
副生徒会長は変態部長である海藤翔が大好きなのは周知の事実で、一年の頃から何度も告白しては玉砕されているのに懲りない猛者である。部長も「いい加減にして欲しいよ」と言いながらも女の子に甘いのに、唯一苗字で呼ぶほど苦手意識がある人物なのだ。
それほど副生徒会長の愛は重い……と、言う事だろうね。
で、その愛の結晶とも言うべきケーキには『愛ラブ翔様』と描かれた三〇センチほどの板チョコがあり、それを和音さんは親の敵のように叩き割って食べていた。
ラベリアのケーキを二〇個も食べたあとであの勢いと鬼のような形相はなんとも言えずに怖かった。もしや嫉妬か? と思ったが、ただ単に副生徒会長が嫌いなだけで、「ちっ、おいしいじゃないの」と不満を口にしながらもケーキは半分以上一人で食べいていた。