放課後○○倶楽部
「伏峰先輩……あ、あの、どうしたんですか?」
「どうやら閉じ込められたようだね、俺達は」
「え? ええーっ」

 ありったけの声を出して尻餅を付いた律子ちゃんは、驚きで目を見開いていた。その気持ちは分からなくもないが、この状況では一番可能性が高い事柄を考えると一つの結論に行き着く。


 ……誘拐。


 一応は年上としての威厳というものがあるのでここは冷静に対処するべきだろうが、面白そうなので少し律子ちゃんで遊んでみるのもいいかも知れない。

「まずは落ち着こうね、律子ちゃん」
「は、はい……」
「それじゃ、どうしてこうなったのかを最初から考えよう」

 コクンっと頷いて目元に溜まった涙を拭っていく律子ちゃん。

 さすがにこの状況は女の子には厳しいものだろうな。意味も分からずにこんな部屋に閉じ込められたら、誰だって怖いだろうし、不安にもなるだろう。

 今日の事を一つずつ思い出してみよう――。
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