俺様外科医に求婚されました
「…本当、わかってくれないよね」
言いながら、布団からはみ出している足先にそっと布団をかけ直した。
そして、母が眠る布団のそばにあった、溢れんばかりにお菓子が詰め込まれている袋を見て、寝顔を見つめる。
「…どうして?あれだけ言ったのに…」
そう言いながら、私はきゅっと唇を噛み締めた。
スーパーの袋に詰め込まれていたのは、コーンスナックというスナック菓子で。
昔から駄菓子屋で売られているような、馴染みのあるものだった。
二週間ほど前から、母はこれを頻繁に買ってくるようになった。
聞けば、「理香子はこれが大好きでしょ?」としれっとした顔で言う。
たしかに、子供の頃は好きだった。
よく食べていたような記憶もあった。
でも、今は違う。
だから何度も話したのに。
今は好きじゃないし、もう買ってこないでいいと。
「何で…勝手に小春ちゃんのお金取ったりしたの」
スースーと気持ち良さそうに寝息を立てる寝顔を見ながら、母を見つめてつぶやいた。
「お母さん…」
寝顔を見ている時だけは、唯一安心する。
でも、その安心のあとには、いつも…不安が押し寄せた。