俺様外科医に求婚されました



‘‘どうして電話に出てくれないの⁉︎
何で突然辞めちゃったの⁉︎’’


翌日の昼下がり。
私の元には小野さんから何度も連絡がきた。

職場でどう聞いたのかはわからない。
だけど次第に、届くその内容は変わっていった。


‘‘諒太先生も心配してるから、とりあえず早く連絡ください’’

‘‘変なこと聞くけど、今相沢先生と一緒にいる?そんなわけないよね?’’

‘‘何で見てるのに返してくれないの⁉︎何でもいいから返信くらい出来るでしょ⁉︎’’


小野さんの心境の変化も、手に取るようにわかっていった。

相沢先生は、病院には来ていないようだった。
そして、誰が言ったのかはわからないけれど。


‘‘二人でアメリカに行くなんてウソだよね?’’

‘‘どうして何も返してくれないの?本当だってこと?’’


小野さんからのそんなメッセージを確認した私は、私達が揃ってアメリカに行くという話まで、職場には伝わっているようだと悟った。

あまりにも早過ぎる話の流れに、すぐに理事長の顔が浮かんだ。

全ては理事長の手の内で動かされているのだと思った。


そして…日も暮れ、空が暗くなってきた頃。


‘‘信じてたのに…最低。’’


小野さんから届いた最低という文字を目にした瞬間、私は…彼女の心まで傷つけてしまったんだと胸が傷んだ。


だけど何も返せなかった。
第三者には口外しないという契約があったからだ。

もし破れば、臨床試験への参加が出来なくなってしまう。
それを一番に考えていた私は、何も伝えられないまま、最低な人間のまま。

携帯を解約し、外部とは一切の連絡を絶った。


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