俺様外科医に求婚されました



すぐに諒太からは電話がかかってきた。
メッセージも、いくつも連続で届いた。


‘‘何があった?理由って何だ?’’
‘‘今どこにいる?ちゃんと会って話したい’’
‘‘何で電話に出ないんだ、どうしていきなり忘れろなんて言うんだよ’’
‘‘頼むから返信だけでもしてくれないか’’


そんなメッセージが受信される度、胸がぎゅっと締め付けられた。

だけど私が諒太にメッセージを返信することは、もう二度となかった。


本当のことは、何一つ言えないまま。
そのうちわかるからと、闇雲に諒太との約束を破り、一方的に忘れてくれと傷つけて。


私は、五年前。
諒太の前からいなくなったんだーーー。


そしてもう一人。
傷つけてしまった人もいる。


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