俺様外科医に求婚されました



けたたましく響く大音量に、体がビクンと反応した。

ジリジリと鳴り響く目覚まし時計。
目を閉じたまま、私はそれを手探りで探す。

毎日のことだから、ほんの数秒であっさりと止められた。


「…ふぁーっ」


間抜けなあくびをしながら、ベッドの上で思い切り手足を伸ばすと、シャキッと頭を切り替えて体を起こした。


昨夜はなかなか眠れなかった。

あれは、今でもまだ夢じゃないかと思っている自分がいる。

でも。
ふと視線が動き、ポールハンガーに掛けているコートに目が止まると、私は思わずため息をついた。


昨日諒太に会ったのは、やっぱり…夢じゃ、ないんだよな。


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