俺様外科医に求婚されました



「何かあったら呼んでくださいね」


私は緒方さんにそう言うと、ベッドから離れて来た時と同じようにカーテンを元に戻した。


「三宅さん、失礼しまーす」


そしてまた、同じ病室内の次の患者の元を回った。



体温や血圧のバイタルチェック。
点滴や採血。
尿道カテーテルの挿入に、傷口の消毒や、包帯の交換。


私は今、あの頃には出来なかった数々の医療行為を行っている。

諒太が知ったら驚くだろうか。
あの頃は看護助手だった私が、今では准看護師になっているなんて。


811号室の仕事を終え病室を後にした私は、スタッフステーションに戻る途中ふと諒太のことを思い出して…


もし知ったなら、一体どんな顔をするんだろう。

何故か、そんなことを思った。




私がこの青葉総合病院で働き始めたのは、もう五年も前のことだ。

その時の職種は、大和国際病院にいた時と同じ、看護助手だった。

そんな私がここで一年働き、その後は働きながら二年間准看護学校に通い、資格を得た二年前からは准看護師としてこの病院で働いている。


< 98 / 250 >

この作品をシェア

pagetop