=ウサギくんとオオカミさん=


俺は、勢いよく立ち上がる。



「ウサギ?」



不思議そうに声をかける海老名。
大神と、1年の男も話をやめ顔を上げた。



「帰る」

「帰るって、え?ウサギ?」



一言そう言うと俺はその場を立ち去った。
これ以上ここにいるとイライラで余計なこと口走りそうだ。


階段を降りていると、後ろからパタパタと階段を降りる気配がする。
それでも俺は振り返りもせず階段を降りていく。



「宇佐木くん!」




俺を追う声は、大神のものだった。
なんで追いかけてくるんだ。
別に俺のことなんかほっとけばいいだろ。


さっきの虎太郎ってやつとよろしくやってろよ。



「なんだよ、あいつはいいのか」

「え?あいつ?」



キョトンとした顔。
なんだか無性に腹が立つ。


「あの虎太郎とかいう奴だよ!」



声を張ると大神はビクッと肩を揺らす。



< 100 / 182 >

この作品をシェア

pagetop