=ウサギくんとオオカミさん=
俺は、勢いよく立ち上がる。
「ウサギ?」
不思議そうに声をかける海老名。
大神と、1年の男も話をやめ顔を上げた。
「帰る」
「帰るって、え?ウサギ?」
一言そう言うと俺はその場を立ち去った。
これ以上ここにいるとイライラで余計なこと口走りそうだ。
階段を降りていると、後ろからパタパタと階段を降りる気配がする。
それでも俺は振り返りもせず階段を降りていく。
「宇佐木くん!」
俺を追う声は、大神のものだった。
なんで追いかけてくるんだ。
別に俺のことなんかほっとけばいいだろ。
さっきの虎太郎ってやつとよろしくやってろよ。
「なんだよ、あいつはいいのか」
「え?あいつ?」
キョトンとした顔。
なんだか無性に腹が立つ。
「あの虎太郎とかいう奴だよ!」
声を張ると大神はビクッと肩を揺らす。