chérie〜最愛の人へ〜









「それな?www」









……あ、ダメだ。





これは……泣く。





私だって好きで見学してないのに。





好きでこんな体になってないのに。





体育やりたいよ。





走り回りたい。





泣きそうになるのと同時に苦しくなる呼吸をなんとか整えながら急いで校庭へ向かった。









「矢野ー。今日見学誰?」









体育科の前田先生が美有に聞いていた。









「あ、璃音が見学です。」









「先生!私今日やります!」









「え、あれ?璃音?平気なの?」









「うん。平気。ありがとね。」









「璃音がいいならいいけど……。先生、今日見学いません。」









「お前大丈夫なのか?無理はしないで、苦しかったら途中でやめろよ。じゃ今日見学者なしで。ハイ整列ー。」









やっていいわけがなかった。





でも、私でも走れるって、私だって出来るって。





ただの意地でしかないことぐらい自分が1番よくわかってる。





それでもただ黙って見学するには癪に触った。
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