chérie〜最愛の人へ〜
「龍太〜!食器並べて〜!」
奥から龍太のお母さんの声。
「あ、私も手伝います……。」
「あ、ほんと?じゃ……」
「いいよ、璃音は座ってて。」
お母さんの声を遮って言う龍太。
きっと体を心配してのことだろうけど、別に家事ぐらいはできるもん。
「で、でも……。」
「先輩?勉強教えて貰ってもいいですか?」
由歌ちゃんも気を使ったのか奥の部屋へと引きずり込まれた。
龍太はそれを見て微笑んでたけど……。
なんか気に食わん!
「先輩、そんな不貞腐れないでくださいw」
ついには由歌ちゃんにまで言われる始末。
「アハ。ごめんごめんw」
なんかもうどうでも良くなって、由歌ちゃんと勉強してると、
「ご飯できたよ〜!璃音ちゃんもおいで!」
龍太のお母さんの手料理はやっぱり美味しかった。
ご飯を食べたあとみんなで団らんしていると
「璃音、そろそろ帰ろ、送ってく。」
「あ、もうこんな時間。すいませんお邪魔しました。」
「いいのよー。またご飯食べにおいでね?」
「また勉強教えてください〜!光佑も教えて貰ったら?」
「俺はいいんだよ!」
「うふふw今度は光佑に教えてあげる!ぜひまたお願いします。お邪魔しました!」
「バイバイ〜!」
そんな声を背中に龍太の家をあとにした。
龍太も一緒に出てきて送ってくれようとしたけど、時間も時間だし断った。
龍太は渋ってたけど。
「ただいまー」
「あら、おかえり。龍太君の家でご飯食べてきたの?」
「うん。疲れたからもう寝るね」
「あ、そう。薬は飲んでね〜」
「はーい。おやすみー」
久々の登校で疲れた……。
週の頭からこんなに疲れて、今週ちゃんと学校行けるかな。
襲ってくる睡魔に抗うことなく、その日はすぐ寝た。
