【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
全力でお断りします、と目で訴えると伝わったのかまあるい目でクスクスと笑われた。
「でもそんなことをしてるうちに噂になりませんか?」
「まあ可能性ゼロとは言わない。でもキミ、噂になったら困るのか? ふられたばかりで困る相手もいないんだろう? かわいそうに。しかも彼氏の浮気が原因って」
「なぜ知ってるんですか」
「だってこの前……。“タチバナさん、どうして浮気したの?、私に悪いところがあったら直すから、だから、だから……”って俺に」
「裏声でまねするのやめてください! そもそも私、よりを戻したいとか、ほんとうにそんなことこれっぽっちも思って……」
そんなことを言った記憶もないし、本心でもない。男は浮気する生き物だし、たまま偶然が重なって別れることになった。それだけ。相手の女の子のお腹には新しい命が宿っていて、私に選択肢はなかった。
ふと彼と目が合う。射抜くような鋭い瞳。このひと、時折こんな怖い目をする。背中がぞくりとした。
「ないって言えるのか?」
私も橘さんも悪くない。すべてが偶発的。誰に責任があるわけでもない。
そんなことを考えていると、雅さんが顎をあげて私を見下すように見つめた。今度はいたずらっ子のようなまあるい瞳になる。
「この前、キミが握りしめて引っ張ったからスーツがよれて伸びた」
「え?」
「泣きつかれてシミになるし。しかも鼻水」
「そうなんですか?」
「俺の大切な貞操も奪われたし?」
「でもそんなことをしてるうちに噂になりませんか?」
「まあ可能性ゼロとは言わない。でもキミ、噂になったら困るのか? ふられたばかりで困る相手もいないんだろう? かわいそうに。しかも彼氏の浮気が原因って」
「なぜ知ってるんですか」
「だってこの前……。“タチバナさん、どうして浮気したの?、私に悪いところがあったら直すから、だから、だから……”って俺に」
「裏声でまねするのやめてください! そもそも私、よりを戻したいとか、ほんとうにそんなことこれっぽっちも思って……」
そんなことを言った記憶もないし、本心でもない。男は浮気する生き物だし、たまま偶然が重なって別れることになった。それだけ。相手の女の子のお腹には新しい命が宿っていて、私に選択肢はなかった。
ふと彼と目が合う。射抜くような鋭い瞳。このひと、時折こんな怖い目をする。背中がぞくりとした。
「ないって言えるのか?」
私も橘さんも悪くない。すべてが偶発的。誰に責任があるわけでもない。
そんなことを考えていると、雅さんが顎をあげて私を見下すように見つめた。今度はいたずらっ子のようなまあるい瞳になる。
「この前、キミが握りしめて引っ張ったからスーツがよれて伸びた」
「え?」
「泣きつかれてシミになるし。しかも鼻水」
「そうなんですか?」
「俺の大切な貞操も奪われたし?」