【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
「商業施設が白紙撤回になって空いた穴をなにで埋めるの?」
「今は、それについては私はなにも存じません、と申し上げるしかありません。でも来週中は発表になるかと思います。今日はその調整ですので」
なにになるのかすごく知りたい。でもそれを聞くのは社会人として望ましいことではない。上層部だけのトップシークレットだ。いくら婚約者といえ、正式な婚約はまだだし。ドキドキする、ワクワクする。
あと数日、楽しみに待とう。そしたらまた忙しくなる。
「そう。じゃあ雅さんはどこにいるの? 婚約者としてそのくらいは聞いてもいい?」
「都内の水族館です」
「水族館? なにかイベントでも? もしかして水族館を誘致するとか」
「いえいえ。それはありません」
「でも仕事なら唐澤さんが同行しなくていいの?」
「今日はプライベートな意味合いもありますんで」
「プライベート?」
「あっ!!」
しまった!、という表情を浮かべたのを私は見逃さなかった。
プライベートで水族館?
家族で水族館、とか、男友達と水族館、とか、雅さんの年齢ではありえない。
ハンドルをにぎる唐澤さんの額には脂汗が浮かんでいる。
「プライベートってどういこと?」
唐澤さんは、え、いや、あの、その……と言葉を濁している。もうその態度で他の女性と行ってるのはバレバレだ。
「ひょっとして、女? 雅さんには恋人がいたの?」
「いえいえいえいえ! 恋人ではありませんっ!」
「恋人じゃないけど、女性と行ってるのね」
「いや、そのっ、ぐあああああっ」
「もうここまで話しておいて、黙秘は無理でしょ。ねえ、誰と行ってるの?」
唐澤さんは深く息を吐き、ウィンカーを出すと路肩に車を停めた。
「……ブライアントホテルオーナーのご長女、咲希さまと水族館に行っておられます」
致し方ない事情でございますっ!、と唐澤さんは雅さんの代行をつとめるかのように頭を下げた。
*―*―*
「今は、それについては私はなにも存じません、と申し上げるしかありません。でも来週中は発表になるかと思います。今日はその調整ですので」
なにになるのかすごく知りたい。でもそれを聞くのは社会人として望ましいことではない。上層部だけのトップシークレットだ。いくら婚約者といえ、正式な婚約はまだだし。ドキドキする、ワクワクする。
あと数日、楽しみに待とう。そしたらまた忙しくなる。
「そう。じゃあ雅さんはどこにいるの? 婚約者としてそのくらいは聞いてもいい?」
「都内の水族館です」
「水族館? なにかイベントでも? もしかして水族館を誘致するとか」
「いえいえ。それはありません」
「でも仕事なら唐澤さんが同行しなくていいの?」
「今日はプライベートな意味合いもありますんで」
「プライベート?」
「あっ!!」
しまった!、という表情を浮かべたのを私は見逃さなかった。
プライベートで水族館?
家族で水族館、とか、男友達と水族館、とか、雅さんの年齢ではありえない。
ハンドルをにぎる唐澤さんの額には脂汗が浮かんでいる。
「プライベートってどういこと?」
唐澤さんは、え、いや、あの、その……と言葉を濁している。もうその態度で他の女性と行ってるのはバレバレだ。
「ひょっとして、女? 雅さんには恋人がいたの?」
「いえいえいえいえ! 恋人ではありませんっ!」
「恋人じゃないけど、女性と行ってるのね」
「いや、そのっ、ぐあああああっ」
「もうここまで話しておいて、黙秘は無理でしょ。ねえ、誰と行ってるの?」
唐澤さんは深く息を吐き、ウィンカーを出すと路肩に車を停めた。
「……ブライアントホテルオーナーのご長女、咲希さまと水族館に行っておられます」
致し方ない事情でございますっ!、と唐澤さんは雅さんの代行をつとめるかのように頭を下げた。
*―*―*