チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
でも、もしこれが夢なら、今しがた入ったばかりのお風呂の湯加減やシャンプーの匂いなんて、ハッキリと感じないだろう。
それにさっきの彼女との会話だって、夢にしてはかなり現実味があった。
第一、この体だって・・暖かいじゃないか。

やっぱり僕は、生きてるんだ。
・・・体(外見)は明らかに変わったけど・・・。

この人の体型は、僕の理想に近い。
でも・・・この人――さっきの彼女の証言によれば、僕と同じ「りげん」という名前らしいけど――かなり不摂生な暮らしをしていたに違いない。
歯は黄ばんでるし、目は充血気味。それにこの辺り――どうやら肝臓――がしくしく痛む。疲労に寝不足、そしてアルコールとタバコの摂り過ぎ、か。
見た目はカッコよく、健康そうな体に見えるが、中身はガタが来ているなと、今の自分の体を、医者の目で冷静に診断していく。

そう。以前の僕は、父が院長を務める総合病院で、内科医として勤務していた医者なのだ。

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