チェンジ！ ～僕に恋して君を愛する～

「でも私は環を生むと決めた。看護師はいつでもなれる。勉強と資格は必要だけど。でも環を生むことは、その時しかできないでしょう？だから私は、環を生むことを優先させた。それだけのことよ」
「そうか・・。時子さんは、僕が思っていた以上に強い人、というか芯がしっかりしてる人だ」

それでいて、酷い経験をしてしまっても穢れを感じさせないのは、きっとその酷さにのみ込まれず、逆にはじき返す強さと同時に、受け入れる懐の深さを持っているからだろう。
だから時子さんには、男勝りでギスギスしたような感じが全くないんじゃないか？
僕が初めて時子さんに会ったときに「まるでジャンヌ・ダルクのように清楚な人だ」と感じて、一緒に暮らし始めて４ヶ月が過ぎた今もなおそう感じるのは、だからだと僕は思った。