チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
「教授に会いに行きませんか」と環は言ってくれたが、入れ替わった真実を知ってる人は、なるべく少ない方がいいと、時子さんとも話し合って決めたこともあり、俺は止めておいた。
そして、環にもこの真実は誰にも口外しないようにと口止めするのも忘れなかった。

そういうわけで、母親である時子さんが、俺と「“結婚生活”を続ける」と言ったとき、「母さんの好きにすればいいよ」と、実にアッサリ賛成してくれた。

「母さん、俺が今まで見たことないくらい幸せそうにしてるから」
「そ、かな」
「うん。先生・・って言うのは変ですよね」
「うーん、そうだなぁ」
「じゃあ父さん。母さんのこと、頼みます」
「ああ」
「不幸にしたら化けて出るから」
「おいおい!」

それから「今後、勉強のこととか教えてほしい」と環に言われて、俺は番号とアドレスを交換した。
時子さんは、息子が新しい「父親」に心を開いてくれたことが、とても嬉しかったようだ。「環があんなに嬉しそうな顔をしたの、初めて見たわ」と言った時子さんの澄んだ瞳には、うっすらと涙が浮かんでいた。

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