チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
医院を出てすぐ、俺は転びそうになった女性を助けようと駆け寄ると、肘を支え持ってあげた。
「大丈夫ですか?」と聞きながら顔を見ると・・・過去、俺が診察したことのある医院の患者さんだった。
懐かしい佐々木のおばあちゃんを見て、思わず俺は笑顔になった。

「そこまで送りますよ」
「まぁ。どうして私が岡崎医院へ行くと分かったのかしら」
「あ!いやぁそれは・・なんとなくですよ・・あ、この辺は滑りやすいから気をつけてください。さ、俺の肘を持って」
「見ず知らずの私なんかに優しくしてくださって、どうもありがとうね」
「いえ。それじゃあ俺はここで。お大事に」

と言ってしまった後で「あ。つい以前のクセが・・」と思ったが、俺はニコッと笑ってごまかすと、時子さんと一緒に、今度こそ医院を出た。
チラッと後ろをふり返ると、佐々木のおばあちゃんは、ニコニコ微笑み、コクコク頷きながら、俺たちに手を振ってくれていた。

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