チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
「ホントに、あの人はそんな感じを出しながら、惰性で生きてたから。だからあなたが謝らなくていいのよ。きっと最後の最期に、こんな形で誰かの役に立てて、あの人ホッとしてるんじゃないかな。これで思い残すことなく死ねるって思ってるはずよ」
「時子さん・・・」

僕たちは抱き合ってしばらく泣いた。
「りげんさん」を偲んで。

「りげんさん」、ありがとう。
僕は、あなたにもらった新たな人生をかけて、時子さんを幸せにします―――。

その時を境に、時子さんは僕が触れても嫌がる素振りを見せなくなった。

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