甘い初恋は、イケナイ最後の恋。




「結愛ー!おっはよー!」





昨日の出来事に浸っていると、教室にいつもの元気なちーちゃんと翔が入ってきた。




ちーちゃんいつも思ってたけど、普通に自分のクラスのように入ってくるよね。




なんて思っているとちーちゃんの「えぇ!?」という驚いた声に我に返る。




「結愛が!結愛が朝から勉強してる!?
アタシを裏切るのか~!」


「ち、ちーちゃん!頭思いっきり振らないでよ…!」




私の忠告も聞かずにちーちゃんは「裏切り者~」と言いながら私の頭を横に振る。




私とちーちゃんはテスト直前まで勉強しない同盟を組んでたも同然で。
それなのに勉強してる私を見てかなりショックらしい。




やっとちーちゃんによるヘドバンの刑が終わると、今度は翔が私の顔を覗き込んできた。




それはそれは嫌らしい笑みを浮かべて。




「今回"は"僕に泣きついてこないんだね?
再試とる気満々とか?」




ムッカーーーー!
翔のことを優しい紳士だなんて誰が噂を流したんだろう。




その人に今すぐ翔は意地悪な悪魔野郎ですって訂正したいくらいに腹が立つ。




でも今回はいつもよりイラつかない。
きっと大くんがいるから。




だから……



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