甘い初恋は、イケナイ最後の恋。




「いるんだね!?好きな人!」


「はぁ!?いるわけないじゃんか!」


「だってその反応怪しいよ!?」


「これはいきなり結愛があんなこと聞いてくるから驚いたからであって……その……」




あのハキハキとした性格のちーちゃんが目を泳がせて言葉がしどろもどろになってる。




これは絶対いる!ちーちゃんの好きな人!




近くにあった休憩スペースに座ってぐっとちーちゃんとの距離を詰める。




「どんな人なの!?ちーちゃんの好きな人!」




誰にでも姉御肌で優しいちーちゃんは、男女問わず友好関係が広い。




そのたくさんいる候補の中でちーちゃんのハートを射止めた人が気になって気になって仕方ない。




「ゆ、結愛に彼氏ができたら教えてあげる!」


「えぇ!?それズルいよ!ちーちゃん!」




ちーちゃんはスムージーを飲みながら私とは反対方向を向いてしまった。




うぅ、気になる。ちーちゃんの好きな人。
やっぱり身近にいる翔とかかな?




あ、でも同じクラスの小出くんもあり得る!




なんてちーちゃんの好きな人を当てようと色んな人を想像していたせいで聞こえなかった。




「……結愛には言えないよ。
だって絶対に叶わないんだから……」




ちーちゃんがそう呟いたことを。



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