極上スイートキス~イケメンCEOと秘密のコンシェルジュ~
真実を求めて







 朝日がブラインドからわずかに漏れている。

 体温が心地いい。
 

 ゆっくりと目を開けると、そこに紘平の端正な顔がある。
 
 思いのほか近くて驚いた。
 

 軽く寝息を立てる彼を見つめていると、昨夜のことは現実なのだと受け止め始める。
 

 ずっと手の届かない人だと思っていた。
 
 そんな彼との情事を反芻していると、顔が熱くなってくる。
 

 もぞ、と体を動かし彼の胸元に顔を寄せる。
 
 なんて幸せな時間なんだろう。
 
 紘平と体温を分け合いながら、目覚める日が来るとは。



「ん……起きた?」

 寝起き声がかすれている。

 それすら色っぽく思えて、みのりはどきりとした。


「…おはようございます」

 軽く上向くと、自然と唇が重なる。

「おはよう」

 ふっと微笑む紘平に見とれてしまった。


「今日…仕事は?」

「休みです」

「そっか、よかった」

 今更聞いたけど、と紘平は眉を寄せた。
 
「俺もオフだ」


 何気ない会話が嬉しい。


 間を埋めるように、紘平はぎゅっとみのりを抱き締めた。

 沈黙すら幸せだとみのりは瞳を伏せる。



「…正直、もう会えないと思ってた」


 少しの沈黙を破ったのは紘平だった。


「え…?」

「卒業したらそれっきりだろうって」

 じっとみのりを見つめる紘平は優し気だった。

「…何度も後悔した、遠慮なんてしなければよかったって」

「遠慮って…」

「お前は知らないだろうけど」


 知るわけがない。

 紘平の気持ちが自分に向いていたなんて。



< 78 / 93 >

この作品をシェア

pagetop