只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
あの後、美羽は自分の家に帰った。

月曜日、きちんとした格好であれば私服でも大丈夫なマジックドリーム社。

美羽は案外動きやすい服装で初出勤した。

朝の朝礼で桃歌と合流した。

桃歌は美羽の隣に並んだ。

朝の挨拶が十数分続いた。

美羽と桃歌、そして他の新入社員も真面目に話を聞く。

すると、突然悠哉が壇上に上がりマイクを受け取る。

「ああ、ありがとう。えー、皆さんに報告があります」

悠哉の言葉に社員一同が戸惑いを見せた。

静かだった空間がざわめき始めた。

悠哉が咳払いするとまた静寂が訪れた。

「私、薙田悠哉と新入社員の柊木美羽は結婚致します!」

社内全体が驚いているようだった。

ただ、悠哉の秘書だけが何故かしょぼくれていた。

美羽の隣にいる桃歌は美羽を凝視していた。

固まる美羽に悠哉は歩み寄る。

「ずっと一目惚れでした。柊木美羽さん」

社員の誰も見たこともないような悠哉のデレた表情。

社員何人かの悠哉のイメージが崩れていく音があちらこちらで聞こえた。

悠哉はまだ固まっている美羽の手を取った。

「…あ、あれ?」

珍しく戸惑う悠哉を見て秘書は笑いを堪えていた。

「…社長、ちょっとすみません」
「あ、ああ」

桃歌は固まった美羽の耳に息を吹きかけた。

「ふーっ…」
「ひゃあ!」

美羽は高い声を出してやっと動いた。

悠哉に取られた手を見て倒れそうになったが、自分でも踏ん張り桃歌にも支えてもらった。

朝礼の終わる鐘が鳴って新入社員への指導が始める。

しかし、美羽だけは違った。

悠哉に手を引かれ社長室に連れられて行った。
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