只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
目覚めたそこは前にも見覚えのある場所。

「…やっちゃった」

美羽は自分に呆れていた。

「本当ですよ!!」

美羽の体がビクッと反応する。

病室の入り口に響輝が立っていた。

「す、すみません」

どこか怒っていてイライラしている様子の響輝に美羽は怯えた。

「また次やったらその時は…覚悟していてくださいね」

響輝はかけている眼鏡を光らせ去って行った…。

美羽は医者にも叱られた。

「自分で管理できないようだったら、働かない方が身のためだよ」

医者も呆れて吐き捨てるように言う。

それが一番堪えた一言だった。

週末には何故か美塁と美来と父親が見舞いに来た。

「また倒れたんけ!」
「姉ちゃん…」
「美羽、平気…?」

父親が怒り、美塁が呆れ、美来が心配していた。

「今は調子戻ってるから大丈夫。心配かけてごめんなさい…」

美羽は目の前にいる3人に対して頭を下げる。

久々の家族4人。

父親が娘、息子に説教を始めた。

「…なんで今?」
「さあ?」
「……。」

父親には聞こえない声でコソコソと話す。

するとドアがノックする音が聞こえた。

「はーい」

救われたと思い美羽は返事をする。

ドアが開くとそこには、

「今、平気かい?」
「美羽、来たよー」

悠哉と桃歌がいた。

美塁は悠哉を睨みつけ、父親は丁寧にお辞儀をする。

悠哉もそれに返しお辞儀をした。

美来は手土産を受け取り、棚の上に置いた。

この時美羽はここが病院であることを恨めしく思った。
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