只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜

災難Part2

美塁と美来が帰ったあと、美羽は余裕が持てないくらい忙しくなった。

そして、少しの移動があった…。

「…笠崎、美羽にあんなことしたんだから当たり前ね」

そう、あの夜のことを会社の人が見ていたのか、会社に告発されたのだ。

しかも、社長の悠哉に直々に。

桃歌が知ったのは次の日。

朝方、美塁から連絡が行ったようだ。

どこまで姉思いの双子なのだろうか…。

笠崎が移動し、笠崎の分の仕事が割り振られる。

しかも溜めていたようで、美羽と桃歌が主に任された。

「…あんにゃろぅ」

朝から桃歌の機嫌が悪いのはそのせいでもあった。

「まあまあ、いつも通りやるだけだよ桃歌」

美羽は桃歌よりも仕事量が多かった。

今まで残業なぞしなかった美羽は、夜遅くまで会社にいることが多くなった。

「美羽、私も手伝う」
「いいよ、桃歌。ありがとう」

相変わらず誰にも頼ろうとしない美羽。

ここ最近、ご飯も食べれていない様子に見えた。

「美羽…頼ってって言ったのに」

桃歌は不満げに帰宅した。

外は真っ暗、会社も電気が付いているのは美羽のところだけ。

「あ、9時…」

流石の美羽もこの日は諦めて帰った。

次の日、そしてその次の日も美羽は遅くまで会社に残った。

「!?」

朝、出勤した桃歌が美羽の顔を見るとどこか痩せて見えた。

「美羽!!ちゃんと食べてるの?」

桃歌は叱るように言う。

美羽は元気の無い笑顔を見せて…。

そしてついには倒れてしまった。
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