只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
美羽の退院日。

手続きを終えて、響輝と悠哉に連れられて来たのは悠哉の高級マンションだった。

「え?」

美羽は病院から車に乗って悠哉のマンションに着くまで驚きっぱなしだった。

実際、今も驚いて口が閉じない状況である。

「貴方の部屋のものは全て運んで置きましたので」

響輝はまた眼鏡を光らせる。

「柊木さん、寛いでね」
「では、私はこれで…」

悠哉と美羽を残し、響輝は帰って行った。

「柊木さんの部屋はこっちだよ」

悠哉に案内されて部屋を覗く。

「……。」

部屋の中に入ると壁の本棚が自分の本で埋まっていた。

「柊木さん、本多すぎだよ〜。響輝が運ぶの大変そうだったよ」

どうやら整えてくれたのは響輝だということが今判明した。

「…私の…部屋」

美羽はまだ理解出来ていなかった。

ここの来たのも突然で引っ越しも突然の事で。

何も追いついていない状況にあった。

リビングに戻り悠哉が入れた珈琲を飲む。

「社長、どうして…ですか?」

頭が混乱して何を聞いたらいいのかも整理がつかない。

「最初から説明しようか」
「はい、お願いします」

悠哉は美羽にも分かるよう説明する。

…最もな理由をつけて。

「じゃあ、社長はそれで私をここに?」
「ああ、そうだ」

悠哉はひとくち珈琲を飲んだ。

美羽は少し納得したようだった。

「よろしくお願いします」
「こちらこそ」

とりあえずお辞儀をしてこの場はおさまった。
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