俺様社長はウブな許婚を愛しすぎる
そんな風に気にかけてくれて嬉しいし、なにより私も灯里ちゃんと本当の姉妹になれたら幸せだから。

でもそんな日も、そう遠くないはず。

だって私には幸せへの約束のしるしが、左手薬指に光り輝いているのだから。

その後、私たちはデザートまで食べてまた午後の勤務に戻った。



「それじゃ千和さん、お先に失礼します」

「うん、お疲れ様」

定時を過ぎ、私たちはオフィス内に戻った。そこで簡単な事務処理を行い、仕事は終了。

けれど、どうやら今夜約束をしている和臣さんは、まだ仕事が終わらないようだ。


代表室から彼と、彼の秘書である田中実(たなか みのる)さんの言い争う声が、さっきからオフィスにまで聞こえてくるから。


田中さんは創設当初から和臣さんの秘書を務めている。自由奔放な彼の秘書を務められるのは、田中さんしかいないと思う。

だってどんな時も冷静沈着。仕事もミスなくこなすパーフェクト秘書だ。

常にポーカーフェイスでなにを考えているのかわからなくて、怖い印象を持たれがちな人だけれど、意外と感情的に動くこともある人だ。
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