繋いだ歌【完結】
それに、書きたい。今、僕の頭の中にあるメロディーを。
ご飯を食べ終わり、すぐにファミレスを出た僕はタクシーで家へと帰った。
そして、家に着いた僕はそこに立っている人物にハッとした。
その人物は僕を見つけると、走り寄る。
「……真史」
「ケー! ケイタイも持たずにどこにいたんですか!」
「……何で」
「昨日の貴方の様子がおかしかったから気になったんです。だから、用事が終わって来てみたら貴方はいないし。
こんなメモが置いてあるし」
ずいっと僕の目の前に出された紙。
僕が真史宛てに書いたメモだ。
〝すぐに戻ります。探さないでください。ケー″
「何があったんですか。どうしたんですか」
「……真史、ごめん」
「ごめんじゃないです。理由を言ってください」
「ごめんって、真史。てか、今すぐ曲を作りたいんだ。部屋に戻っていい?」
「……は?」
口をあんぐりと開けた真史がまじまじと僕の顔を見つめる。
そんな真史を無視して僕は自分の部屋へ向かう。
真史に構っている暇はない。
僕は作りたいんだ。この曲を。