たぶん、トクベツちがいな恋。

・・・


大学生になってからすぐ、バイトを始めた。大学のそばにあった居酒屋。人が多い時は死ぬほど大変だけど、平日に頑張れば休日もある程度休めるし、時給も良いから助かっている。

だから、何だかんだ続けられていると思う。

今日は土曜だけど、予定が空いていたから入れた。…ん、だけど。


「ヤダ〜〜!本当にオーミが働いてるじゃないの〜!」

「ちょっと珠理。そんな大声で騒がないの」


…なぜ、コイツらがいるのか。


「ごめんね近海くん。ミノくんがどうしても集まりたいって、うるさくて」


烏龍茶でハイテンションになっている珠理。その横で、呆れているめごちゃん。そして謝りつつも、ニコニコと笑っている瀬名ちゃん。
普段会える分には嬉しいメンツだけど…。

クソ、バイト先だけは、絶対来んなって言っておいたのに。


「珠理…、家で待っとけっつったろ」

「なんでよ〜!帰るの夜中なんでしょう!?早くオーミに会いたくて来たのに〜!」

「だからさっきも会ったろ!?大学で!!」


まったく。珠理のマイペースに付き合わされて、わざわざめごちゃんと瀬名ちゃんまで。
まだ未成年で酒なんか飲めねーのに、こんなとこで集まって楽しいのかよ。


「フフフフ…。バイト着姿の近海くん、初めて見た♡写真撮っちゃおっと」

「ちょっ…、コラ!やめろ!!」


パシャパシャと、写真を撮り出す瀬名ちゃん。俺は慌てて手のひらで顔を隠した。

こんな姿、そんな何枚も撮られてたまるか。


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