オレンジ色の恋 ~切なさは誰の物?~
「避けんなよ。結花」

笑う事をやめて、真顔で言った綾斗に、私は圧倒されて勢いで頷いていた。

「よし。ならいい、あーきもちいなー」
そう言って綾斗は私がいつもやるように、上を向いて浮かぶと目を閉じた。


そんな綾斗を見て、私も同じように浮かんで目を閉じた。

「うん、気持ちいね」

時間が止まったように静かで、無音の水の中で私たちは浮遊していた。


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