オレンジ色の恋 ~切なさは誰の物?~
またこの感じ。

ただ見つめるこの時間。

ジッとお互いだけを感じツこのプールという不思議な場所。

「久しぶり」

始に口を開いた綾斗に、私も少し笑顔を作ると、

「うん。久しぶり」

そう答えると、綾斗は大きく息を吐いて。

「よく言うよ。お前が避けてたくせに」

「避けてないよ」
俯いて答えた私を、ちょいちょいと綾斗が手招きする。

なに?

恐る恐る近づいてプールの中の綾斗を見下ろすと、

突然手を引っ張られてプールに引きずりこまれた。

「引っかかった!」
屈託なく笑って言った綾斗に、

「もう!綾斗!」
怒りながら顔を上げた私を、ケラケラと笑いながら綾斗は私を見た。

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