和泉くんの考えてることはわからない。
「あれ?ここ、誰か来るの?」
ふと、早苗が指を指してそう聞いてきた。
その先にあったのは、和泉くんの家から道路を挟んで向かい側にある、赤い屋根の一軒家。
その横にはトラックが停まっていて、家の中へと荷物を運び込んでいた。
「あー。前に住んでた人が先週引っ越したからなぁ。誰かまた来たんじゃね?」
ここの赤い屋根の家は入れ替わりが激しいらしく、大原くんも和泉くんも特に関心はなし。
2人が興味の無さそうなそぶりだったから、私と早苗も特に気にはしなかった。
─────けど、次の瞬間。