和泉くんの考えてることはわからない。
「ほら、手動かしなよ」
「わ、わかってるもん!」
一度意地悪が終われば、和泉くんは驚くくらいにいつも通り。
誰か和泉くんの取り扱い説明書でも作ってくれないかな、なんてくだらないことを心から願うほどだった。
「おー、終わったか。ご苦労ご苦労」
ようやく作業が終わって職員室にいる津田先生にしおりを届けに行ったのは、それから1時間後のこと。
こっちは大変だったというのに、呑気な先生は優雅にコーヒーなんか飲みながらパソコンをカタカタしている。
「先生、自分でやってくださいよ」
「は?誰かさんが毎回毎回俺の話聞かずにしゃべってるからだろ。少しは俺の苦労を分かち合え」
「教師として終わってます、その発言」
「おいこら、人聞きの悪いこと言うな」