和泉くんの考えてることはわからない。



─────ピーンポーン


それから2時間ほどして、家に訪問を知らせるベルが鳴った。



一瞬、慎くんかと思ってドキリとしたけどそうじゃない。


慎くんはこの家の鍵を持ってるし、ベルなんて鳴らす必要がないんだから。



……あの意識が定かでない中でも、慎くんの豹変は記憶にしっかりと残っている。


私は、慎くんにとって家族ではなかったんだ、と。




「シオちゃーん、お友達よー」

「えっ?」


玄関に様子を見に行ったお婆ちゃんから、そんな声を聞いた。


慌てて玄関まで駆けつければ、そこには見知った顔が1人……いや、3人。



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