和泉くんの考えてることはわからない。



「すごい寝てたんだね、私」

「ふふっ、シオちゃんは昔から熱出したら寝込む子だからねぇ」



そう言って、はい、とお婆ちゃんが渡してきた体温計を使えば、そこに出た数字はすっかり平熱の36度。


それを見たお婆ちゃんは安心したように笑って「お腹すいたでしょう?」と私をリビングに誘ってくれた。




「おやシオ、起きたんか」

「うん。もうすっかり!」


リビングに降りれば、ソファに座ってテレビを見ていたらしいお爺ちゃんが私の顔を見て目を細めた。



「良かった良かった」なんて笑うお爺ちゃんにも、「本当に」と頷くお婆ちゃんにも、私は凄く心配をかけてしまったに違いない。


きちんとごめんねとありがとうを伝えると、2人は笑って「家族なんだから当たり前だよ」と言ってくれた。



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