和泉くんの考えてることはわからない。


でも、仕方ない。


大好きな人だもん。嬉しいんだもん。



「それに、明日デートなんでしょ?」

「うんっ」


早苗の言葉に力強く頷く。


明日の土曜日は、蒼くんとの初めての休日デートだ。


修学旅行前にお出かけしたいとなんとなく呟いた私の願いを、蒼くんが叶えてくれるみたい。



今からそれが楽しみで、私は明日が待ち遠しくて仕方なかった。



「早苗ー」

「あ、帰ってきた」


大原くんの声がして、私たちは教室のドアの方に視線を向ける。


そこには当然蒼くんもいて、「お待たせ」と私の頭を撫でた。


< 278 / 326 >

この作品をシェア

pagetop