和泉くんの考えてることはわからない。

◇ そばにいて、和泉くん




「なーんか、もうすっかりカップルだよね」

「え?」



放課後の教室で、早苗はしみじみとそう言った。


今この空間には、私と早苗だけ。




津田先生の放課後の雑用に男子の出席番号1番から5番までが駆り出され、蒼くんと今日部活がお休みの大原くんが今その手伝いに行っている。


つまり、私と早苗は絶賛彼氏待ち。



蒼くんと付き合って2週間経った今でも、私は "彼氏" というワードににやけてしまっている。



「からかわれてばっかに見えるけど、よく考えたら和泉がこの学校でよく話す女子なんて栞里だけだし。付き合ってからだって、もう毎日一緒に帰ってるじゃん」

「えへへ。うん」

「うわ、にやけないで」


頬の緩みが隠せずに顔に出てしまって、早苗に怪訝な顔をされてしまった。



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