和泉くんの考えてることはわからない。
「蒼くん、蒼くん」
「ん?」
「だーいすき」
思わず口にした言葉は、意外にも蒼くんの耳を赤くさせた。
それが嬉しくて、恥ずかしくて、思わずふふっと笑みが溢れる。
「笑うな」と蒼くんからデコピンを食らったのは、その僅か数秒後のことだった。
「着いた〜!!」
それからバスに揺られること数十分。
私たちは、京都にやってきた。
「よーし、ここからは班で自由行動だ!17時にはしおりに書いてあるホテルに戻ってくること!かいさーん!」
津田先生の適当な説明で、一斉にクラスメイトたちがそれぞれ散って行く。