見た目通りには行かない






重鎮が集まる会議のお茶出し?私が?



「いやいや、無理ですよ~」



別に今までだって会議のお茶出しはしたことある
お茶出しが嫌なんじゃない


経営会議は今まで男性だったのにも何か事情があるからでしょ!
それなのに、急に私って!
荷が重すぎる
絶対なんかある!



「麗ちゃん、大丈夫!おじさん連中が麗ちゃんのお茶飲みたいんだってさ!」

「川口さん、お茶入れは私たちも手伝うから!任務よろしく!」


なんて言いながらみんな楽しそうだけど
だって、経営会議ってざっと100人近くいるんでしょ?
噂だけど………

その後、部長からお茶の数を聞いて噂じゃないんだと肩を落とした




「それにしてもすごい数よね?」



今回、担当することになって先月の担当部署から回ってきたのがお茶出し用のカート
お盆を並べてお茶を並べて持って行くらしい


なんだか、新幹線とかの売り子さんの気分



「上座から置いていったらいいですよね?」

「うん、社長以外は座ってる順番でいいでしょ」



みどりさんはせっせと準備を手伝ってくれている
みどりさんは大先輩だから、今までお茶出しの担当は経験してるらしい
でも、やっぱり持っていったのは男性だったらしくて会議室の中はよく分からないみたい


でも、人脈があるみどりさんは色んな人に聞いてくれて情報収集してくれたみたいで凄く有難い

お茶を準備しながら出るのはため息ばかり






< 15 / 98 >

この作品をシェア

pagetop