見た目通りには行かない





「えっと、ここは………」




私は大きなお屋敷の前で唖然とした



待ち合わせた駐車場には黒いベンツが停まってて
それにもたれるように秘書の正木さんが立っていた
本当にムカつくほどにイケメンだ


ベンツに乗せられ着いたのがここ
大きなお屋敷に大きな門構え


私でもわかった
ここは所謂………一般家庭ではない



正木コーポレーションが所属する正木グループは正木組
それを知らない人はいない
きっと、ここは正木組


社長が長い足ですたすた歩いていく




「川口さんも」

「ま、正木さん、ここは」

「川口さんの予想は間違えてないよ」

「いや、あの………私………」



今頃、食事だったのでは?
なんで?
だってだって、正木組と言うことは社長のご実家で
今日初めて社長に会うのにまさか……




「なに?怖いの?」


正木さんの目が笑ってない
怖いと言うより……




「か、会長が……」

「え?」

「会長がいらっしゃるのでは?」

「へ?そこ?」


だってだって………


「幸輝……」

「あ、ほら川口さん入って、玄関前だしね」



社長が振り返り玄関前で何やら話している私たちを促した


そりゃ入り口では迷惑だ
正木さんに強めに背中を押されて私は観念して中に入った

ドキドキする心臓はもう張り裂けそうだ



でも、私は中に入って私は目を見開いた





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