見た目通りには行かない





「朝早くからすみません、今日はこちらに来てると伺って
社長……いえ、尊さん」



麗ちゃんは、細く白い手をゆっくりと差し出した



「貴方の隣に並んで立つの、私で良いですか?」



真っ直ぐ伸びた背中
何度見ただろう


やっぱりいい女だ



「私で良いですか?じゃない、麗しかダメだ」



尊はそう言って麗ちゃんの手を取ってぐいっと引っ張った


「え?社……んっ」



麗ちゃんは引っ張られてそのまま奪われた


尊は麗ちゃんに口付けながら
俺を睨み付ける
やれやれ



「仕事前には離してやれよ」



俺はそう言って社長室を出た


何が嬉しくて親友と好きな女のキスシーンを見なきゃいけないのか


くくっと笑いが込み上げる
尊にあんな顔させるなんてな


さすが、麗ちゃん
尊との距離を縮めに来てくれたんだよな


「やっぱ、いい女」



"すぐに、ヤれとは言わないけど付き合ってキスくらいしろよ"
俺がさっき言った言葉を思い出してまた、笑えた


あっ!
俺は大事な事を思い出して、扉を開けた


急に入ってきた俺に尊もさすがに驚いていたが麗ちゃんはしっかり尊の腕の中

キスは終わって、今はじっくり感触を確かめてるわけね



「麗ちゃん」

「え?」


尊の腕の中で俺を見る麗ちゃんの顔はほ
んのり赤くて

可愛いな、と素直に思えた


「俺、麗ちゃんのこと好きだよ
ライクじゃなくてラブね!
俺の初めてだからね!
尊のモノでもガンガン行くからよろしくね!」

「え………」

「麗……聞かなくていいから」



俺は竜との約束通り初めての告白をした
何だかスッキリした


さぁ、麗ちゃんは尊の愛にどこまで耐えれるかな?












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