見た目通りには行かない



「麗、結婚しよう」

「え?」


なんと、唐突な
でも、彼にとっては唐突でも何でもありません



「もう、我慢できない!待てない
毎日お前を抱きたい
お前を家に送りたくない
俺が帰る家に居てくれ
麗、結婚しよう」



彼はこんなに饒舌だったでしょうか?
こんなにも、愛を語る男だったのでしょうか?


いえいえ、それは彼女だから



表向きはクールな彼

だけど、そんな彼が優しく微笑むのも
嫉妬に狂うのも
愛を囁きながら熱く求めるのも彼女にだけ



「麗……結婚しよう」



腕を離し、真っ直ぐ見つめます
たった五分間で三回目のプロポーズ


彼女は少し恥ずかしそうに「はい」と答えればみるみるうちに彼の顔は崩れていくのです
端からみればデレデレのなんてしまりない顔




「帰ろう」

「だ、ダメです!尊も私も仕事!ね?」



首を傾げる姿に弱い
いつもは綺麗な彼女が可愛いくなる瞬間です



「今日は、尊の家に寄るから」


それだけで、彼はご機嫌になるのです



「わかった」



社長らしく少しだけ嬉しさを隠して

そんな彼の姿にホッとした彼女は社長室を出ようとしますがもう一度彼の腕に戻されます



「今日はまだしてない」



そう言って熱いキスをするのです



社長の溺愛は始まったばかりです



そんな彼の溺愛振りをもう少しだけお付き合い頂けますか?





< 61 / 98 >

この作品をシェア

pagetop