“あなたを愛しています”





「ねぇ、花奈ちゃん!

四つ葉のクローバー探そうよ」




唐突なその言葉に、戸惑いを隠せない。




「え……?」




棒立ちになっている私の手を、彼は容赦なく引く。

再び胸が熱くなり、顔が真っ赤になる。





「四つ葉のクローバーって、願い事を叶えてくれるでしょ?」




切なげだった司君の顔は、いつも通りの楽しそうな笑顔に変わっている。

その笑顔のまま、明るい声で私に聞く。


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