“あなたを愛しています”





「素朴で強くてどんなところでも生きていける。

俺、クローバーみたいになりたかったな」





何変なことを言ってるの?

だけど……意外にも、司君は切なげな表情をしている。




この時、私は気付いていなかった。

気付くはずもなかった。

司君が何を思ってここにいるのか。

どうして関西弁を嫌うのか。

そして……その問題をどうするつもりなのか。




もっとはやく知っていたら……

寄り添ってあげることが出来たら……

司君の心の痛みは、軽いものになっていたのかもしれない。



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