“あなたを愛しています”
雪のちらつく東京の街で、司君と四つ葉のクローバーを探す。
そんな私たちを、人々は興味の目で見たり、わざと見ないようにして通り過ぎていった。
我ながら、何馬鹿なことしてるんだって思う。
だけど……司君といると、こんな馬鹿なことすら楽しいんだ。
「花奈ちゃん、あった?」
「ないよ、全然ない」
クローバーを掻き分け、奥のほうまでしっかりと探す。
それでも四つ葉のクローバーは出てこない。
「なかなかないんだね」
すぐに見つかると思っていたのに。