“あなたを愛しています”






雪のちらつく東京の街で、司君と四つ葉のクローバーを探す。

そんな私たちを、人々は興味の目で見たり、わざと見ないようにして通り過ぎていった。

我ながら、何馬鹿なことしてるんだって思う。

だけど……司君といると、こんな馬鹿なことすら楽しいんだ。





「花奈ちゃん、あった?」



「ないよ、全然ない」




クローバーを掻き分け、奥のほうまでしっかりと探す。

それでも四つ葉のクローバーは出てこない。




「なかなかないんだね」




すぐに見つかると思っていたのに。



< 123 / 353 >

この作品をシェア

pagetop