“あなたを愛しています”





「花奈ちゃんは、何をお願いするの?」




私の願い事なんて、言えるはずもない。




「俺は……」






一瞬、時間が止まったようだった。

周りの何もかもが見えなくなり、ただ司君に集中する。

そんな中、司君は弱々しくにこりと笑った。

そして、言いにくそうに私に告げる。





「好きなんだよ」




「え……?」






胸が大きくとくんと鳴った。

そして、ふるふると震え始める。



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