“あなたを愛しています”





慣れた仕事なのに、足が震える。

司君がそこにいると思うと。

司君が見ているかもしれないと思うと。






司君の元カノ、すごく綺麗な人だったらどうしよう。

比べられたりして、「今度の女は大したことないな」なんて言われたりしたら……

そんな妄想が頭をよぎる。

だけど、冷静に冷静にと言い聞かせた。





「フラワーシャワー、お願いします」




インカムを通して、スタッフに指示を出す声が震えた。


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