“あなたを愛しています”





『そうなんだ。お仕事頑張ってね』



なんていい女ぶった返信をしながらも、胸はズキズキ痛む。

頭の上に、ゴーンと重りが落ちてきた気分だった。





司君に会いたかった。

やっと会えると思ったのに。

でも、仕事が忙しいのは本当だろう。

司君は凄い人で、私には分からないような世界に住んでいるのだから。

必死に自分に言い聞かせた。






それで、何事もなかったかのように仕事をしたのだが……




「あれ?花奈ちゃん、大丈夫?

今日元気ないよね」




由希さんに突っ込まれてしまった。




いけないいけない。

私情を仕事まで持ち込んでしまったら!

そう思うのに、少しでも暇があったら司君のことを考えてしまうのだった。


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