“あなたを愛しています”





足に衝撃が走る。

……痛い。

だけど、裏切られた私の胸は、もっともっと痛かった。





「すみません……」




男性の声が聞こえる。

どうやら私は、通行人にぶつかってしまったのだろう。




「こっ……こちらこそすみません……」




そう言いながらも、顔を上げられなかった。

私の顔は、涙でぐしゃぐしゃだったから。



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