“あなたを愛しています”
表示された場所は、ホテルから徒歩数分の場所だった。
そして、私の家からも近いと分かる。
司君、こんなに近くに住んでいるんだ。
こんなに近くに住んでいるのに……会えないんだ。
胸がきゅーっと痛む。
そして、アプリを頼りにたどり着いた場所は……どう見てもごく普通の、五階建てのマンションだった。
少し年季の入ったマンションの階段を上がる。
心臓の音があり得ないほど速い。
司君は怒っているのだろうか。
私に愛想尽かしたりしていないだろうか。
その前に、ここにいないかもしれない。
いや、きっといないだろう。
震える身体で記載された301号室の前にたどり着く。
そして……『桜庭』と小さく書かれたインターフォンを押した。