“あなたを愛しています”
司君のことを考えると、胸がずきんと痛む。
後継者と期待され、夢を奪われ、彼女とも引き裂かれ。
だから私は、
「絶対に司君を離さないから」
それは、自分自身に言い聞かせる決意でもあった。
ただ……
「私でよかったら……
私なんかで良かったら……」
そう、私は学力もお花の才能もない。
常識的に考えて、司君と釣り合うはずもない。
それでも、そんな常識なんてどうでもいいほど、司君に惚れているのだ。